弊社のある長野県松本市ではまだまだ全力で防寒が必要ですが、春の気配を感じる日も増えてきました。
春になると、冬の間に雷が少なかった地域では、雷が増え始めます(北陸地方では冬も雷は多いです)。
「春雷(しゅんらい)」は立春から立夏の頃までに発生する雷。「虫出しの雷」とも呼ばれ、冬の間隠れていた虫たちが活動を再開する合図でもあります。
春の訪れとともに、農作業が本格化する季節ですね。
そんな中、

従業員が雷に打たれて入院してしまった

雷でハウスの電気設備が壊れてしまった
といったことが起こらないように、今のうちに雷対策をしておきましょう。

【安全第一!】農作業中の落雷事故を防ぐための雷対策リスト
本記事では、雷対策の基礎知識と農業現場での具体的な対策について解説します。

農業現場での具体的なリスクと対策
1. 雷の仕組みと春雷の特徴
雷は、電気的な放電現象です。雷といえば夏を思い浮かべる方が多いと思いますが、春にも雷は発生します。
ちなみに、春の雷は、夏の雷とは発生する原因が異なります。
- 春の雷: 多くの場合、寒冷前線に伴い発生し、雹(ひょう)を伴うことがよくあります。
- 夏の雷: 太陽で地面が温まり、その熱で上昇した空気が大きな雲を作り、雷が起こります。
春の雷は雹(ひょう)にも要注意です。
2. 農業現場での雷のリスク

作業者の安全リスク
野外での作業中に雷に遭遇すると、落雷の危険が高まります。
特に開けた土地での作業が多い農業現場では、被害のリスクがさらに増加します。

機材や設備の破損
トラクターや自動潅水システムなど、機材が雷による電気的障害で故障するリスクがあります。
これにより、修理費用や交換費用が発生することもあります。

停電による作物への被害
落雷により停電が発生することがあります。
農業用ハウスも近年は電気で動く物が多くなり、一度停電になると作物への被害も大きくなる傾向にあります。
3. 雷に関する疑問
4. 農業現場で実施すべき事前の雷対策
(1) 雷の予兆を把握

雷の発生を早期に把握するために、気象庁の雷警報やスマートフォンの気象アプリを利用しましょう。
より高度な対策として、雷検知器「雷報」を導入することで、60km先の雷を検知し、作業の安全な中断が可能になります。
(2) 避雷器(SPD)の導入

電気設備や観測機器には SPD(サージ・プロテクティブ・デバイス)設置を検討しましょう。
雷サージによる機器類の故障を防ぎます。
(3) 速やかな避難計画の策定

作業中に雷の発生が確認された場合、速やかに避難できる体制を整えておくことが重要です。
避難場所の明確化、避難経路の設定、作業員全員への共有を徹底しましょう。
(4) 発電機の準備

落雷の影響で停電が発生することがあります。
長時間の停電の場合、電気制御の潅水装置や天窓、カーテンの作動ができなくなってしまうので、発電機の準備をおすすめします。
5. 作業中に雷が鳴った時は…
いくら事前に備えていても、急な天候の変化はつきもの。想定外に雷が近づいてくることもあります。
そんな時は「とにかく安全な空間へ避難」することが大切です。
また、付近で落雷があった場合は、電子機器の点検を実施しましょう。
比較的安全な空間
- 鉄筋コンクリート建築
- 自動車(オープンカーは不可)
- 木造建築の内部(全ての電気器具、天井・壁から1m以上離れれば更に安全)
安全な空間に避難できない場合は…
- 高い建物から4m以上離れたところ(保護範囲)に退避
- 高い木の全ての幹、枝、葉から2m以上は離れる
- 姿勢を低くして、持ち物は体より高く突き出さないようにする
- 雷の活動が止み、20分以上経過してから安全な空間へ移動する

(出典:気象庁)

まとめ
雷対策は、農業現場の生産性や作業員の安全を守るために欠かせません。
事前に雷のリスクを理解し、適切な対策を講じることで、被害の最小化が可能となります。
特に雷検知器「雷報」のような早期警戒システムを活用することで、より安心して農作業に取り組むことができるでしょう。
農業現場の安全を守るために、ぜひ本記事を参考にして、今すぐ雷対策を始めましょう!
